アジアで就職したらブラック企業だった~南の島は蟹工船~

東南アジアでブラック企業に就職し、ストレスから入院し逃げ帰ってきた人間のブログ。        注・このブログはモデルとなった現地企業で働く人々などへの取材をもとにしたフィクションです。ただ、実際に起きている「空気感」は本物です。その辺りを味わっていただければと思います。

2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

夢、について

イケダハヤトブログ http://www.ikedahayato.com/20140514/6559073.html 為末論争 http://enrique5581.net/yume-mokuhyou-genzitu/

アメリカ政治を知らないと、だめでちゅ

なんだかんだいってもアメリカは大国だ。 基本的にそれなりのインテリなら、アメリカについて何らかの意見を求められる。 ということで、今回は最近のアメリカについて述べた本の一部を紹介。 とりあえず、基本的なアメリカの外交政策の基本的な流れは、①孤…

内的成熟のない言葉は無意味だ

今は情報がかつてないほど氾濫している時代で、言葉だけがムダにありすぎる、と思う。自分が本当に感銘を受けたりした原体験がなくては、浅い理解のみが飛び交い、 本当に理解したりコミュニュケーションしたりできないだろう。 実際、海外で働いて思うこと…

『かわいい!』は相手を排除する言葉

「かわいい!」 現代日本で耳慣れたこの言葉を発するたびに、あなたは相手を見下し、自分の支配できるようにしか相手をみていないのだ。 四方田犬彦著『「かわいい」論』(ちくま新書)は、そのような「かわいい」の政治性について言及した貴重な本。 気にな…

ロボットを問う事は人間を問う事

ロボットを問う事は人間を問うこと。 著者でロボット工学者の石黒浩氏はそう強調する。 この本は、ロボットをめぐる問いをSF映画から考えるというもので、 『スタートレック』や『2001年宇宙の旅』などメジャーどころを下敷きに 議論が展開されている。 …

実は年収アップの秘訣は住むところだった

エンリコ・モレッティ著『年収は「住むところ」で決まる』は、恐ろしい本だ。 だって、がんばって勉強して学歴を高めても、高卒のブルーカラーに、「住んでいる場所」によって収入が低くなるのだから。 この本はアメリカのイノベーション産業がアメリカの地…

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ポスコロ・スキャンダル本 ベスト3  

スキャンダルは自己破壊が強いほど面白い。ポストコロニアル、植民地時代「以後」の世界を生きるための破壊力のあるスキャンダル本ベスト3を選んだ。(以下、敬称略) ① 『南島イデオロギーの発生』(岩波現代文庫、2004) 柳田民俗学のルーツが「植民…

日本人の本質はスシにあり〜日本人論を読み直す②〜

日本人の本質はスシにあり〜日本人論を読み直す②〜 記念すべき第一冊は、李御寧著『「縮み」志向の日本人』(講談社学術文庫)である。 李氏は日本人の特性を「ものを小さくすること」だとし、にぎり寿司、扇子、トランジスタなど、日本人がモノを小さく縮め…

ジジババの土産話はもう沢山〜日本論を読み直す①〜

いちおう、日本は先進国ということになっているらしい。 時間に正確な電車。約束を守る人々。世界トップクラスの物質的な繁栄。確かにそういう条件は備えているようにみえる。実際、強国であることは間違いない。 私は今年で28歳になったが、基本的に日本…

読書ガイド~ぶち壊せ!さらば救われん。

『千年王国と未開社会』はピーター・ワースレイ著、1981年に紀伊国屋書店から発売された。 東南アジアのメラネシア人は、19世紀後半から20世紀にかけて、植民地化しようとやってきた白人と接触した。この時、彼らは白人の持つ豊かな物資と富に圧倒さ…

小説⑨〜恐怖の新人研修〜「俺って大阪から派遣されてるの?????」

入社から1カ月ほど経った後、新人研修を受けることになった。経験者だった私は何を今更と思ったが、これがカイシャだから仕方ない。 狭い会議室に呼ばれたのは、私、O君、Dさんの3人。私以外の3人は大学院を出ていて、Dさんはインドネシアの大学で修士号…

小説⑧〜長い夜〜やはり日本人は日本人だった

KやYに2人を加え、会社近くの居酒屋に繰り出した。 K「あの野郎。ぶっ殺してやる。」 いきなりKの語気は荒い。 Kは創業者がまだ生きているころ、直々に採用された最後の一人だ。私立の最難関大学の最上位学部を卒業後、Jに入社した。本人は学生時代からパン…

小説⑦〜初めての会議〜罵り合いは突然に

私とTはオフィスに戻り、仕事にかかった。しばらく仕事をした後、午後7時に業務報告会が始まった。 開口一番、業務主任で細身で2メートル近い長身のK君がこういった。 K「あのー、新しく入った人の紹介を昨日いきなり受けたんですけど。何で事前に紹介して…

小説⑥〜ゾンビ会社への入口〜ポリシーなき上司

勤務初日。私はインドネシアをよく知る転職エージェントのすすめに従い、スーツで出社することにした。そのエージェントによると、インドネシア人は特に見かけで判断することが多く、きっちりした印象を与えるスーツ姿が初対面では効果的だとのこと。お土産…

小説・番外編②~交通渋滞~

ジャカルタの交通渋滞は有名だが、本当にすごい。 ジャカルタから帰ってきてから、日本の渋滞などかわいいとしか思えなくなった。 基本的に通勤や帰宅ラッシュの時などは、歩いて10分の距離が30分かかることはザラ。チビチビ車が動くさまは、本当に亀さ…

小説・番外編①~ジャカルタ、コス事情~

さて、ブラックな話を本格化させる前に、ジャカルタのコス事情について話したいと思う。 コスというのは基本的に一人暮らし用の部屋が集まった、日本で言うアパートのような施設。 インドネシアでいうアパートは、より上流階層が住む高級住宅とされている。…

小説⑤~「俺、実は辞めるんです」、到着初日に告白される~

日本で言えば、銀座にあたるだろうか。オフィスから程近い繁華街の裏にあるコスに着いた。オランダ風といえばいいだろうか。モルタル製で部屋は30室ほどある7階建ての建物だった。 まず、大家のイブ(インドネシア語で年上の女性に対する敬称)に挨拶。そ…

小説④~漆黒の女、H~同僚と顔合わせ

車はジャカルタの目抜き通りを走り、オフィスの入っている高層ビルに着いた。車の中に爆発物などがないか、ゲートで警備員がチェックする。チェックが済み、私はT部長とともにオフィスに入った。 オフィスでは納期の直前だったこともあり、従業員、つまり同…

小説③~「男性器」を通って・ジャカルタ到着~

小説③ 〜ジャカルタ到着〜 一人で飛行機に乗る事に慣れていない私にとって、道中は胸が高まった。「どんなところなんだろう」、「インドネシア語を覚えよう」など期待に胸が膨らんだ。 私の思いをよそに、飛行機は淡々と航路を進み、目的のスカルノ・ハッタ…

小説② 〜「南方になんて行くのか!お前!」と父に罵られ〜

私はJ社に内定をもらい、両親に報告した。それを聞いた父は開口一番、「お前!南方なんていくのか?ジャカルタ?危ないぞ!」とやめるよう諭された。私はインドネシアには基本的には銃は出回っておらず、それなりに安全だと思っていたこともあり、それを説明…

小説① 発端〜地獄の幕開け〜

その日、私は池袋にあるビッグカメラの前で待ち合わせをしていた。インドネシアの自動車部品メーカーJのTという部長と面接をするためだ。 1時間ほど前から待っていた私はTを難なく発見できた。日本人の中年男性にありがちな、「オジさん」的なカタい雰囲気…

契約書が、ない!?

さて、フィリピンパブの回ではパスポートが問題になったが、労働契約の基本である、契約書がJ社にはなかった。 おいおい、マジかよ!と驚くなかれ。実際、そうだったんです。 まあ、これをご覧の皆さんの中にも契約書がない状態で働かされている人もいるか…

J社はフィリピンパブだった!

このブログでもうおなじみのJ社だが、フィリピンパブ顔負けの悪質な組織だった。 まず、パスポートが取り上げられて、従業員は携帯していない。 そんなことありえるの!?と疑問を持つのも無理はない。 私だって信じられなかったんだから。 もっと正確に言…