本・映画
『新ブラックジャックによろしく』を読み終えた。 臓器移植編なのだが、このテーマ自体はまたあらためて論じたい。 このシリーズの最後で、主人公が医療について、仕事についての本質的な問いを描いている。 「人間がいずれ死ぬなら、医療とは医者とは一体何…
インフラがある国はコストが安くてすむ。 裏稼業の人々を描いた、『ギャングース』を読んで気になる記述があった。 裏稼業の人々は服を使い捨てるのだという。それはものを持っている余裕がないからだそう。 確かに、ものを保管できるということは場所が必要…
いきなりよくわからない命がけのゲームに突入させられたら? 奥浩哉さんの漫画、『GANTZ』は平和な日常から一気に非日常な世界に飛ぶ。 主人公は人生に飽きて世の中を見下している。線路に落下した人を友人といっしょに助けようとして黒い玉のあるマン…
度々このブログで紹介している、名門医大の研修生を描いた『ブラックジャックによろしく』だが、「新」シリーズを読んで、臓器移植編に入った。 この漫画。佐藤さんが独自に取材しているそうで、非常におもしろい。というのは漫画自体の描き方もさりながら、…
以前取り上げた、田端信太郎氏の『MEDIAMAKERS』で気になったくだりがあったので取り上げる。 映画の特権性について、田端氏は映画館で観客の時間を占有できる点にあると指摘する。 つまり、普通、私たちは映画以外の表現物を途中で消したりする…
最近ネット関連の著作を読み漁っている私だが、基本的にネットはリアルの人間関係に依存しているし、技術をうまく利用できる人間はいるが、それを除いては人間をおろかにし、一部の人間が儲ける仕組みでしかないとほぼ結論している。 前々から指摘しているよ…
リクルートのR25を創刊した田端信太郎さんの『MEDIAMAKERS』を読んだ。 MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体 作者: 田端信太郎 出版社/メーカー: 宣伝会議 発売日: 2012/11/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 9人 クリック: 139…
ニューヨークのイタリアンレストランを描いた映画『ディナーラッシュ』を観た。 この映画、今ならツタヤでおススメコーナーにおいているから、必見。 スピード感も早いし、エンターテイメントとしては十分。 娯楽としてはいい。 ディナーラッシュ スペシャル…
金融界を描いた『ウォール街』を見ていて思ったのだが、この映画を作ったオリバー・ストーンをはじめとして、サヨクの中に「肉体労働は虚業よりもえらい」という思い込みがないだろうか? この映画では主人公の金融マンのチャーリー・シーンが、親父で飛行機…
電子書籍の出版は個人でできるから、やりたい人は多いと思う。 セカシューのパイオニアである森山たつをさんの著書『一万冊売ってわかった!電子書籍を売る方法』は電子書籍で99円で売っている。 この本によると、99円という最低価格か、250円で利益…
『ウェブはグループで進化する』でおもしろかったポイントを再度紹介。 インフルエンサーという一部の「影響力のある人々」ではなくて、「友人によって構成されるグループが無数につながっている」というイメージが重要。 私たちのコミュニュケーションは5…
クラシック音楽評論家の鈴木淳史氏の『クラシック批評こてんぱん』は、本当に同業他他者の批評を読みこなした名著である。 この本、クラシック音楽評論家の評論を読み込み、その特徴を的確に分析した上で面白おかしく書いている。 たとえば大家で亡くなった…
昨今、ワールドカップが盛んだが、実直な左派の皆さんは「ワールドカップなんて所詮代理戦争だ。くだらない」とバカにするかもしれない。 ただ、『アナキストサッカーマニュアル』によるとサッカーは労働者に深く根ざしたスポーツだということがわかる。 サ…
批評というジャンル は、色々あってわけがわからないといえばわからない。 ある程度入門書的にまとまった本がないかと探していたら、『「批評」とは何か?』が見つかった。 音楽評論家の佐々木敦さんによるもので、小林秀雄などビッグネームから平岡正明さん…
福沢諭吉は、いわずと知れた大物で、日本近代の創始者。 ただ、「一国の独立」を唱え『脱亜論』など朝鮮・中国への侵略を支持したとの批判もされる。 日本思想史家の子安宣邦氏の『福沢諭吉『文明論之概略』精読』は、福沢の代表的な著作の『文明論之概略』…
基本的にウェブもリアルも全く同じ、ネット上で マトモな付き合いができない人間はリアルでもダメ。 『ウェブはグループで進化する』は、オンラインがオフラインに追いついてきたという指摘の下でオンライン上でのネットワーク論を展開する。 よくインターネ…
宮崎駿監督の引退策となった『風立ちぬ』を観た。 第二次世界大戦で日本の国産戦闘機、ゼロ戦の設計者の堀越二郎氏を通して、設計者の夢や技術と戦争などおなじみのテーマを描く。 風立ちぬ [DVD] 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 …
以前にも取り上げた、『機械との競争』を最後までもう一度読み返してみた。 この本は、技術革新の速度が早すぎると、社会の速度が追いつかず、失業が拡大するというもの。 コンピューター関連などの専門知識を持った一部の階層に富が集中していく構造にある…
先日、電子書籍で出版業界に挑戦した漫画家の佐藤秀峰さんに続 き、 漫画貧乏 作者: 佐藤秀峰 出版社/メーカー: 佐藤漫画製作所/漫画onweb 発売日: 2014/05/30 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る 今回も漫画ネタで。 マンガで食えない…
このブログを始めて2ヶ月が経過した。 今のところ最大アクセス数は111と自分でも不思議なほど大きい数字をいただいたことは感謝に耐えない。今後ともよろしくお願いします。 ある程度続けられているので、ここらでもう一段階アップを狙い、『プロ・ブロ…
最近、生ぬるい作品があらゆる表現を通して多いが、ジョージ秋山の漫画『捨てがたき人々』はそんな道徳をなぎたおす。 捨てがたき人々 上 (幻冬舎文庫) 作者: ジョージ秋山 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2013/02/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ…
メディアがクソだゴミだとささやかれて久しいが、なんだかんだいって変化はほとんど見られない。 そりゃそうだ。だって、再販制度に支えられて世界一の規模で発行部数もってるんだから、その購読料と何より広告料がバカ高い年収を支えているんだから。そして…
製造業が隆盛を極めた時代が終わり、金融資本が幅をきかすようになる。 ものを作る人間がないがしろにされ、金融屋が不当に儲ける。 『ウォール街』は金融街でのやりとりを描いた名作。 チャーリーシーンは父が小さな航空会社の組合長を務める証券マンで、株…
セールスマンならこの映画を見てないやつは失格。 こう言い切っていいほどの映画は『摩天楼を夢見て』しかない。 これは不動産会社で成績の悪いやつはクビと発表されたことから、社内が騒然となるという映画。 まず、俳優人が超豪華。アル・パチーノなどすご…
さて、株って昔は今みたいにネット使わずに仲買人を通して買うのが普通だった。 一般的に、虚業の方が胡散臭いけど、株屋もなかなかのものだ。 この『マネーゲーム株価大暴落』は、大学中退で闇カジノで儲けていた主人公が、客の一人の仲買人に誘われて株の…
オトす力 ~金正男の心を開かせた新聞記者の「知的仕事術」~ (ワニブックスPLUS新書) 作者: 五味洋治 出版社/メーカー: ワニブックス 発売日: 2012/10/09 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 金正男の単独インタビューをとって話題になった、東京新聞…
今、集団的自衛権についての議論が盛んだ。公明党の反対も押し切られようとする不陰気の中で、ごり押しで進められようとしている。 日本は第二次世界大戦で敗戦した後、憲法の下で戦争を放棄して戦力は持たないとした。その後、朝鮮戦争で警察予備隊ができ、…
私は一応フリージャーナリストとして仕事をしているから、よくわかる。業界に関係なく、自営業でこの国で生きていくのがどんなに困難かを。 つまり、大企業の下には下請けというシステムの中では、自営業者が独自性を出していく財力も考え方も出てこないのだ…
最近は家入一真さんみたいな人がネットを使って商売をするのが増えているようだけど、古典的なフリーの生き方について書いた本も捨てたもんじゃない。 『フリーという生き方』は岸川真さんというフリーの編集者の自伝的なフリーの心得を書いた本。 岸川さん…
街で声をかけてくる怪しい人は実際何をしてるんだろうか? これ、結構気になった人も多いと思う。かくいう私も、現在解釈憲法を食い止めてくれている政権与党の母体の宗教団体の集まりに潜入したから、よくわかります。 『ついていったら、こうなった』は、…