ウェブもリアルも同じ。目の前の5人を大事にせよ。
基本的にウェブもリアルも全く同じ、ネット上で マトモな付き合いができない人間はリアルでもダメ。
『ウェブはグループで進化する』は、オンラインがオフラインに追いついてきたという指摘の下でオンライン上でのネットワーク論を展開する。
よくインターネットで様々な人と知り合えるというが、基本的に人間は最も親しい「親友」から情報をより多く交換する。だって信頼が違うから。
そこから同心円上に親密さが下がっていく。5人、15人、50人、150人が一つの基準らしい。
この本で他に重要な指摘をあげておくと、
よく言うインフルエンサーという、ネット上で重要な影響力のある人物を狙い撃ちすれば情報は拡散するという理論を批判。確かにインフルエンサーという重要人物は存在するが、ことはそれほど簡単ではなくて、むしろマーケティング理論や担当者の側が分析を単純化するために、「インフルエンサー」に原因を求めることから派生する論理であることが多いという。
一般には、ハブとなる人、つまりある特定の分野で情報の感度が高い人が、フォローハブという影響を受けやすい人に情報を流すことで広まっていくということ。
つまり、より多くの情報をもっている人がいても、情報を受けやすい人がある程度いないと情報は拡散しないわけで、ある特定の人物の発言なりのみに情報拡散の原因を求めてはいけないということ。
また、大体個人は4、5のグループに所属していて、誰がどのグループに属しているかはわからないということ。その結果、ある情報が他のグループに伝わるためには、自分と異なったグループに属する友人知人に情報が伝わらないと、「新しい」情報は伝わらないということ。
人は合理的な生き物ではなく、情報が爆発手的に増加した今、無意識で判断の基準となる経験を下に判断しているということ。
ネットワーク論の入門としては面白くいい本。