アジアで就職したらブラック企業だった~南の島は蟹工船~

東南アジアでブラック企業に就職し、ストレスから入院し逃げ帰ってきた人間のブログ。        注・このブログはモデルとなった現地企業で働く人々などへの取材をもとにしたフィクションです。ただ、実際に起きている「空気感」は本物です。その辺りを味わっていただければと思います。

2014-06-01から1日間の記事一覧

悟りと自明

宮田珠己著『晴れた日は巨大仏を見に』(幻冬舎文庫)は宮田氏が全国にある巨大仏を巡るルポルタージュであり、茨城県にある高さ120メートルの日本最大の「牛久大仏」からスタートし、大阪にある岡本太郎作「太陽の塔」など合計14カ所を訪れる。宮田氏…

贖罪としての女中奉公

中島京子作『小さなおうち』は文藝春秋社から2010年に出版された、直木賞受賞作だ。戦前から女中として働いたタキという女性が主人公のこの小説は、甥の健二が語り手となる最終章以外はすべて二つの時間軸で構成されている。現在のすでに老齢となった現…

頼れるのは金のある肉親

この話は、田舎にある小さな家が建てられるところから始まる。自然と季節感豊かな地方にあるその家が都会への憧れをもっていたところに、都市化の波が訪れる。かつてのような面影は少しもなくなり、小さな家もその存在を無視されるようになった。そんな時、…

苦い思い出、、、、

あれは、まだ暖かさが残る10月の後半だった。クラブのイベントで知り合った女の子と食事に行くことになって、渋谷からバスにのった。少し派手めではあったが、唇が厚めの、可愛い子だった。私は普段、クラブにはいかないし、たまたま誘われて遊びに行った…

「反資本主義」をサラ金社長が叫ぶ

『もの食う人びと』(角川文庫)は辺見庸氏によるノンフィクションである。 ベトナム、チェルノブイリなど世界各地を周り、「食べる」という人間の根源的活動を通して世界の現状をルポするというもの。ルポ自体は非日常的な場所を訪れていることもあって、新…

ヨーロッパも日本も、アメリカのフリーライダー

日本は第二次世界大戦での敗戦の経験から、「平和主義」を考え方の基本にすえることが多い。 この「平和主義」の前提には、アメリカの「核の傘」以来の軍事力があったのは、常識である。 軍事力が国際社会について及ぼす影響についての必読書となるのが、『…