アジアで就職したらブラック企業だった~南の島は蟹工船~

東南アジアでブラック企業に就職し、ストレスから入院し逃げ帰ってきた人間のブログ。        注・このブログはモデルとなった現地企業で働く人々などへの取材をもとにしたフィクションです。ただ、実際に起きている「空気感」は本物です。その辺りを味わっていただければと思います。

海外就職は現代の蟹工船

 私は現在の海外就職は小林多喜二著「蟹工船」の現代版だと考えている。あの小説では公海上は労働基準法が適用されないから、奴隷労働をさせられる話だったが、実際現在の海外就職はそうなっているからだ。先日ニュースで中国・大連のコールセンターのことが報道されていた。なんと、そこの労働者が日本人だというのだ。それも中国人よりも安い給料で。。。。。

 これまで日本の中でコールセンターが最も多くあったのが沖縄。理由は簡単で人件費や土地が安いからだ。それよりもクライアントの要望で人件費を下げるために人材派遣会社が社会保障費をかからないようにするという構図。

 基本的に今のセカシュウは、派遣社員フリーターと同じような仕組みの中で生まれており、影響力のある大手の人材派遣会社は基本的には「クライアント企業の社会保障費などのコストをカットする事に貢献して、手数料を稼ぐ」流れの中にあることはしっかりと認識しておいた方がいいと思う。私が短期で戻ることをおすすめするのは、「海外でチャンスを見つける」ことは考える以上に難しいからだ。元々いい大学を出て、P&Gなどの外資系企業に入社し、社内でも英語を使い、ビジネススキルも高められるなど「本当のグローバル人材」ならともかく、そうでない人はそもそも日本国内でよりもいいポジションにつけることはまれなのだ。

 残念ながら大学受験で頑張った人が総じて偏差値に応じて能力分けが「きわめて正確に」なされる以上、いきなり海外に行って自分の株が上がることなどありえない。そういう意味では世の中は平等で、実際に私が働いていたJ社では出来る人は、一流大学卒ばかりだった。それに、東南アジアできっちりしている中小企業の社長は日本の大手企業の出身が相当程度の割合で多いと思う。

 つまり、私が言いたいのは、普通は収入やポジションが下がるのが分かりきっているのにも関わらず、行ってみようという人が最小のリスクで最高の収穫を得て、次の選択を出来る様に経験を生かしてほしいということ。このところを強調してばかりだが、繰り返しすぎることはない。