ネットはもともとリア充に有利
ネットが普及したころ、万人に可能性が開かれた的な意見が目立った。だが、それは幻想に過ぎない。
ネットが普及して一番得をしているのは、リアルの世界で地位や実績がある人であり、一発逆転はほぼないのだ。
ネットニュース編集者の中川淳一郎氏の『ネットのバカ』と『ウェブはバカと暇人のもの』は実務者の目線から現状を紹介してくれる。
この本によると、ネット中毒になっている人間はやはり現実世界でも報われておらず、基本的にリアルでしっかりと仕事をすることがいい人生を歩むことにつながると、当たり前のことだが正論をしっかりと書いている。
これは正しいと思う。実際ネットで目立っている人の多くは高学歴かもともと一流企業に勤めていて独立した人、またニュースでも強いのは現役の新聞社・通信社の社員やプロのジャーナリストだ。
だから、いきなりネットだけで目立つなんてありえない。経験や立場があるから、価値のある情報を作り出せるのであって、道具だけ普及しても扱う人間に中身がないなら、同じことなのだ。
リアルなエピソードを交えた、説得力のあるいい本。