日本の家族のギスギス感が浮き彫りに
日本の家族を描いた映画としては、森田芳光監督の『家族ゲーム』が一押しである。
この作品は、伊丹十三が父親の家庭で、二人兄弟の弟が高校受験のために、家庭教師の松田優作を雇うところから話はスタートする。
この話は基本的には、現代日本が家族の中でそれぞれの役割を演じているということが前提となっており、食事テーブルが真横に5人がけになっていることからもそれが伺える。つまり、誰も向かい合わない。
さらに、伊丹「父親が受験とかに干渉するようになるとバット殺人が起きるから、家庭教師や君(母親)に代理をさせてるんじゃないか」など、日本の家族の病みっぷりを描き出す。
この映画はテーマの描き方といい、構成の仕方といい、松田優作のとぼけた家庭教師っぷりといい、いい映画。必見です。