アジアで就職したらブラック企業だった~南の島は蟹工船~

東南アジアでブラック企業に就職し、ストレスから入院し逃げ帰ってきた人間のブログ。        注・このブログはモデルとなった現地企業で働く人々などへの取材をもとにしたフィクションです。ただ、実際に起きている「空気感」は本物です。その辺りを味わっていただければと思います。

基本的に「欧米」は軍事力をもちたがる

ネオコンの論理』と『アンチ・ネオコンの論理』の二つを読み比べて思うのだが、

アメリカは自国による世界秩序の安定しか想定できないということと、ヨーロッパも軍事力を影響力の拡大のために持ちたいということ。

 

日本で最近集団的自衛権がやかましいのも、極東のコストを負担したくなくてポチの日本を使いたいからなんでしょうな。

 

ヨーロッパは基本的に戦略というか自立する構えがあるが、日本にはそれがない。つまり「日米」関係がすでに終わっているにも関わらず、片思いで依存している状況だろう。

 

TPPも然り。基本的には、単独でやれるようになったジャイアン国家とどう付き合うか、ということになるか。

 

国連にしてももともとアメリカに西側の結束とソ連のけん制というメリットがあったから入っていただけで、アメリカより強い軍事力に基づいた法がない以上、力が続く限り単独行動に出るときはくるだろう。

 

ただ、基本的に腕力で押さえ込むのはコスト高になるのも事実。そういう意味では、軍事力で守られている間にネットワークを形成したヨーロッパは有利だ。アメリカについても利用しつつ、法による枷をどのようにはめるかに苦心することになる。

 

日本の場合、軍事力を持つということは基本的にはマイナスだろう。自立的な動きも何のためのものなのかわからないし、戦争責任を表立って果たしていない国が軍備増強することに対するアジア諸国の反感は大きい。

 

また、地域大国であるロシアと中国の台頭も始まった。二つの国はあくまで国民国家であって、アメリカのような超大国でもヨーロッパのような地域統合でもない。その辺りは基本的には隣国に軍事・経済的に攻め入るかつての国家像の反復でしかないだろう。

 

ウクライナの問題にしてもロシアがクリミアを編入するという、昔ながらの領土を奪うという行為に出てきた以上、アメリカはロシアを警戒せざるを得ず、場合によってはドンぱちがあるかもしれない危険がある。

 

中国にしてもベトナムや日本での領土問題はあの国の権力欲を物語っている。

 

実際、よくEUはキリスト教の文化圏だったから統合できたなんていうお気楽な話があるが、戦争しまくっていた国で、今ですらもめている。その中で統合体を形成できたのは、アメリカ軍の庇護で安定していた情勢はあるものの、基本的にはヨーロッパ諸国の努力の結果だろう

 

東アジアでは日本は冷戦という背景があったが、基本的にはアジアとの関係を清算できずに今まで来てしまった。そしてタイミングをあまりにも失してしまったため、半ば観念化した反日にも結びついている様相をみせながら、どこかよそよそしい関係しか築けていないし、今のところ見込みは限りなく薄い。

 

冷戦期はカネがあったから付き合ってくれたが、日本が凋落する今、それがいつまで続くか。