アジアで就職したらブラック企業だった~南の島は蟹工船~

東南アジアでブラック企業に就職し、ストレスから入院し逃げ帰ってきた人間のブログ。        注・このブログはモデルとなった現地企業で働く人々などへの取材をもとにしたフィクションです。ただ、実際に起きている「空気感」は本物です。その辺りを味わっていただければと思います。

グ~っとくる喜朗

この本は実在しません。

 

日本は腹時計が支配する非常にいい加減な国になった。これが話題の元首相森喜○著、『テロリズムの原点~時間破壊~』(主婦の友社、2025年)である。

 舞台は近未来のサラリーマン国家日本。年間自殺者数が100万人を超え、うつ病患者が全人口8千万人のうち3千万人に増加するなど深刻な状況になっていた。市民から不満の声が相次ぎ、「会社なんて時間通りにいきたくねえよ!」とか、「俺の自由にさせてくれよ!」、「働きたいやつが働けよ!」という管理社会に対するデモが各地で連日のように起こっていた。これだけでも末期の状態なのに、国家エリートたる、国会議員は居眠りが多いことを指摘されると「だって眠いんだもん。普段俺はこの時間で寝てるんだから、俺のリズムに合わせてくれよ」という体たらく。そこで、立ち上がった横綱出身の蜃気楼(しんきろう)首相は「じゃあ勝手にしろ!疲れた!ごっつあん」ということで、腹時計ですべて決める法案を通した。法案が施行された日から各人には「空腹センサー」が支給され、ベルトの代わりに巻くよう強制された。「腹8分目」が基準とされ、それ以下だと働いてはいけないと決められ、すぐに食事をするよう求められる。各人の時間は「クミコ8分目」などのように定義された。

腹の減り具合や食欲、消化する早さの違いは個人差があるため、その日から大混乱になった。電車では「なんで止まってるんだ!!」と客が言うと、「だって、まだ『さとし半分』ですぜえ、旦那。腹が減っては仕事はできねえ、でしょ?」とサンドイッチをほおばりながら運転手が平気で答える。逆に普段から燃費がいい人間になると、「腹が鳴らないうちは働くぜえ!」と非常によく働き、燃費が悪い人間は仮に有能であっても「ああ、消化が早すぎる」と嘆くしかない。食堂は常に一杯になった。一番強いのが、消化の遅い人間になったのである。

フランス革命の時、反体制勢力であるパリ・コミューンがまず狙ったのが時計だったという事実からも、支配と時間というものは密接な関係があるのだ。それを国家自身が放棄したのだから、国家テロも国家テロ、ミサイルを撃つ撃たないの比ではないのである。

時間の感覚を統一しなければ社会はできないのだろうか?「人間と食」をテーマに50歳以上の女性をテーマにした「ゆうゆう」(主婦の友社)に連載小説として掲載されていたこの作品はバカバカしそうに見えて、実は政治の本質をついているところが、オドロキ!! 

これを現役政治家の時に見せてくれれば、、、お腹が減ってたんだな、きっと。