アジアで就職したらブラック企業だった~南の島は蟹工船~

東南アジアでブラック企業に就職し、ストレスから入院し逃げ帰ってきた人間のブログ。        注・このブログはモデルとなった現地企業で働く人々などへの取材をもとにしたフィクションです。ただ、実際に起きている「空気感」は本物です。その辺りを味わっていただければと思います。

J社はフィリピンパブだった!

このブログでもうおなじみのJ社だが、フィリピンパブ顔負けの悪質な組織だった。

 

まず、パスポートが取り上げられて、従業員は携帯していない。

 

そんなことありえるの!?と疑問を持つのも無理はない。 私だって信じられなかったんだから。

 

もっと正確に言うと、エージェントに任せることになっていて、更新も基本的には預けることになっていて、返されるときはシンガポールに出張ビザを取りに行く時しかなかった。

 

パスポートを返してくれと頼むと、早くて2日かかり、最悪の場合は「シンガポールにいる」と1週間くらい戻らないケースもあった。どうやら全員分のパスポートを持ち歩いていたらしい。

 

インドネシアで就労するためには労働ビザと、KITASという準国民資格がいるのだが、このKITAS。出国した時でも再入国時に資格が継続させるための手続きがいるのだが、J社がそれをしていなかったため、日本にいた近親者が危篤状態になった時に出発が遅れるという事態が生じた。(ちなみにだが、J社では出張ビザの有効期限がまだ2ヶ月以上あるにも関わらず、「一親等の肉親の死以外のいかなる理由」があっても、自分で改めて出張ビザを取得しなければならないという規則があった。つまり祖父母の場合やお世話になった人がなくなった場合、航空券とあわせてビザ取得に数万円支払わなければならない。宿泊費も込みで。)

 

私が国外に脱出する際にも、早くパスポートを返せとエージェントに言った結果、「本当に返すから、いつまでに返せばいい?」としつこく聞かれ、結局出国の2日前まで帰ってこなかった。本当に勘弁していただきたい。

 

言うまでもないことだが、パスポートは本人が所持する「義務」がある。パスポートは外国人がその国にいる根拠を示すからだ。持っていなければ、「何こいつ?」と思われるのが当たり前なのだ。ちなみに私は一応パスポートのコピーを持ち歩いていて、「今入管に預けてます」という半ばホント半ばウソの答えをしていた。

 

それにしても、こういう状況を見て、私は思った。

 

フィリピンパブじゃねえか!

 

フィリピンパブとはいまさら説明するまでもないが、主にフィリピン出身の女性を水商売で働かせる場所で、多くはエージェントや店長にパスポートを取り上げられ出国など身動きが自由にとれなくなっているといわれる。

 

しかし、日本人男性の私がまさかフィリピンパブの女性といっしょの境遇になろうとは。人生は分からないものである。

 

皆さんは、パスポートだけは本当に自分で管理しておいてください。海外就職ではいつでも逃げられるようにしておかないと、本当にあぶないので。パスポートを取り上げられたら、最悪大使館に駆け込みましょう。