アジアで就職したらブラック企業だった~南の島は蟹工船~

東南アジアでブラック企業に就職し、ストレスから入院し逃げ帰ってきた人間のブログ。        注・このブログはモデルとなった現地企業で働く人々などへの取材をもとにしたフィクションです。ただ、実際に起きている「空気感」は本物です。その辺りを味わっていただければと思います。

物価は安い!のカラクリ。社会保障費が中抜きされている。。。

 社会保障の話が出たのだが、私がなぜ海外就職を短期で切り上げて日本に帰国することをおすすめするかというと、年金その他の社会保障関連費用を自分で捻出しなければならないからだ。多くのインドネシア現地法人が大体月13万円ほどで月に5万円ほど貯蓄できるくらいの賃金水準だった。

 月5万というと多い様に感じられるが、基本的に普通の日本企業で働くときに会社側が負担する厚生年金などの社会保障費が払われていないためで、ベースの給料が安い分、あまり長く働き続けると高齢者になってからの年金が減額されてしまうからだ。日本の年金制度は危ういが、一応頭に入れておいてもいい事だと思う。

 ビザに関して言うと、就労ビザが発行されない会社に勤めない方が絶対にいい。私は大阪の業務内容のよくわからない会社から派遣された、海外出張ビザという「シンガポールから出張していることになっている」怪しい身分で働いていたが、案の定入管を通るときにヒヤヒヤものだったし、そういう身分でいること自体が人によっては嫌だと感じる人もいると思う。 

 私は退職後、マレーシアに一度出国してインドネシアに再入国した際、入管で拘束され、7人以上の入管職員に「1年も出張しているはずないだろ。働いてたんだろ」と詰問された。度胸と愛嬌で乗りきったが、こんな怖い経験はしないにこしたことはない。

 これについては1回目だからという面が強く、仮に強制退去になった場合、入管に記録が残るので本当にその国が好きになった場合、次の会社でのビザ取得が難しくなる可能性も高い。賄賂を渡すというのも手だが、東南アジア諸国を中心に経済発展していくにつれ、そういう抜け道は狭くなっていくはずだから、いつまでもそういう手段に慣れない方が身のためだ。