アジアで就職したらブラック企業だった~南の島は蟹工船~

東南アジアでブラック企業に就職し、ストレスから入院し逃げ帰ってきた人間のブログ。        注・このブログはモデルとなった現地企業で働く人々などへの取材をもとにしたフィクションです。ただ、実際に起きている「空気感」は本物です。その辺りを味わっていただければと思います。

やばくなったら逃げろ!

 会社で働いているうちに心身の調子が悪くなった場合などについては「即逃げること」が絶対に正しいと強調しておく。私は東日本大震災の時も長崎まで逃げたが、全くそれで悪いとは思わない。基本的に私は会社というものは、正当に働く従業員を幸せにするものであって、それができないならさっさとつぶれた方がいいと考えているからだ。それに、普段から仕事をきっちりとしていれば、次に必ずつながるはず。だから安心して体の調子が悪いなどという兆候が出たら、休むなり辞める準備を進めた方がいい。

 私の場合でいうと、ストレスで体を壊した後、1カ月ほど休養したが、「まだ調子が戻らない。仕事量を少しずつ増やしていってほしい」と部長に訴えると、「さんざん休んだから全力で働け」と言われた。ニヤつきながら。だから辞めた。

 当たり前だが、会社のためなんぞに尽くしすぎることはない。病気になると長引いてお金がかかる上、療養期間中は収入がないので、大きな目ではものすごく損なのだ。上司や周囲の期待に応えようとするあまり、結果としてマイナスになるのこそ本末転倒だ。日本の様に「頑張る」ということは海外ではより危険度が高まる。

 海外にいることはそれだけで神経が過敏になる。体調が悪くなると、「何の病気なんだろう」とか今までにない症状などがでると「風土病か?」など不安になる。これは日本にいるとありえない感覚だ。

 また、残念ながら、長期的な休職などに対しては、スタッフの数が少ない中小企業では取得しにくいのが現状だ。同僚の目も必然的に厳しくなる。

 繰り返すが、体調がおかしいと感じたりストレスが異常に高まったら、ぶっちぎってやめることだ。引き継ぎもしなくていい。