アジアで就職したらブラック企業だった~南の島は蟹工船~

東南アジアでブラック企業に就職し、ストレスから入院し逃げ帰ってきた人間のブログ。        注・このブログはモデルとなった現地企業で働く人々などへの取材をもとにしたフィクションです。ただ、実際に起きている「空気感」は本物です。その辺りを味わっていただければと思います。

ネットが海のカーテンを壊した!

 ネット社会がジャカルタでも普及するここ5年くらい前に東南アジアにいついた日本人ははっきりいって、好景気の中でも日本で就職できなかった人々で露骨に言えば、女性や金銭的な問題で東南アジアにいついたパターンがかなり多いと思った方がいい。その頃の「ジャパンエン」は今よりも圧倒的に存在感があったから、大変居心地がよかったと思う。食費は安い、女も安い。こういう環境で受け入れる東南アジアの人々も彼らが日本人であるだけに、金銭的な理由から受け入れた側面も小さくはないと思う。

 

 そういう中で最近の日本の「出来る人」の到来は、彼らにとって危機的な状況だ。私が現地で友人たちに聞いたところ、「古株がありえないほど使えなくて、この前は月に数百万単位の損害を与えた。インドネシア人は社歴が長い人に敬意を抱く上、首を切ろうにも退職金の問題で簡単でない」と嘆いていた。こういうことがおそらく今の発展途上国の中で進んでいるのだろう。

 日本でもバブル時代に入社したオジさま・オバさまが使えなくて批判されているという声が聞かれて久しいが、発展途上国は本土以上にこれまで情報が入りにくいことや海のカーテンに守られていたから、ネットがそれを開放すると途端に苦しくなるのは否めない。そういう古株で、インドネシア人の奥様と地元で床屋をやってなんとか月2万円台で生活している人がいたのがこういう例で、確かにそれも悪くないとは言えるが、本当に幸福といえるかというと、難しいのではないだろうか。