アジアで就職したらブラック企業だった~南の島は蟹工船~

東南アジアでブラック企業に就職し、ストレスから入院し逃げ帰ってきた人間のブログ。        注・このブログはモデルとなった現地企業で働く人々などへの取材をもとにしたフィクションです。ただ、実際に起きている「空気感」は本物です。その辺りを味わっていただければと思います。

日本の外はさらに「ザ・ニッポン」

 海外就職をする多くの人は「海外は日本人と接する機会が少ない」とか「日本にいる日本人とは違う日本人が働いている」という風に考える人が少なくないと思う。実際私もそう考えていたのだが、基本的に海外に出ている日本人のほとんどは「日本人以上に日本人」であることが多い。私も自分を振り返ってみて思うのだが、海外で見知らぬ日本人同士が話すことなんてまずない。会社や取引先などあらかじめ素性が分かっている人同士でない限り、コミュニュケーションしないのだ。ジャカルタでは英語を話せるにもかかわらず、日本人はインドネシア人はおろか、欧米人とも積極的にコミュニュケーションして友人になろうとすることはない。

 こういう状態が続くと、基本的には「外国人と話して刺激を得る」というよりは観念的に「日本人は優れている」という考え方に偏る方向になるのが自然だと思う。組織風土についてもいわゆる「ビジネスライクな関係」にはならない。普通、飲み屋でべったり話したり、ゴルフ三昧したりして暇つぶしをしている。駐在員の奥様は全く読む価値もないブログにせいを出す。

 日本人社会については、サークルや県人会など日本人同士の集まりがやたら多かった。おそらく欧米人も集まりは持つだろうが、これほど出身地や大学のみで趣味で集まるというよりは、仕事を通じた仲間をバーなどに集めて飲み会を開いたり、ホームパーティーをする機会が多い様に思う。もちろん、海外に出ると日本人同士で団結が必要だという気持ちが高まるのは理解は出来るが、こういうムードがあるのは特殊であることは強調しておいていいように思う。