アジアで就職したらブラック企業だった~南の島は蟹工船~

東南アジアでブラック企業に就職し、ストレスから入院し逃げ帰ってきた人間のブログ。        注・このブログはモデルとなった現地企業で働く人々などへの取材をもとにしたフィクションです。ただ、実際に起きている「空気感」は本物です。その辺りを味わっていただければと思います。

本・映画

とりあえず世に出たいんならコレ!大槻ケンヂさんに訊け!

とりあえず、私も含めてブログ始める人は自己顕示欲が強い人だろうから、始める段階で後押ししてくれる本が必要だと思う。 『サブカルで食う』著者の大槻ケンヂさんの生き方はおもしろい。 とりあえずネクタイするのがいやだったからという理由で、バンドマ…

実は、喫煙所がアイデアの根源だったのです。

IT技術の高まりで、情報のやり取りの速度が格段によくなったが、実は対面でのコミュニュケーションが一番大事だということには変わりがない。 『職場の人間科学』は、MITチームにより社員に取り付けられた調査用バッジの結果から、社員が創造性を発揮し生産…

谷本真由美さんを読まずして海外就職は語れない。

海外就職は新しい働き方だ。だから情報を集める必要がある。 しっかりとした分析がない中で元国連職員の谷本真由美氏の本は論理と実体験が結びついた形で書かれている数少ない良書。 谷本氏の本のいいところは、あおることもせず現実を見据えた上での海外就…

ウソでもすごい。佐村河内守の自伝。

ゴーストライターがばれて週刊誌やテレビで炎上した、「作曲家」の佐村河内守氏だが、自伝『交響曲第一番』(幻冬舎文庫)は本当にすごかった。 何がすごいって、話のリアリティ。 難聴による耳鳴りの描写など一般人が知りえないところも説得力を増しており…

日本の家族のギスギス感が浮き彫りに

日本の家族を描いた映画としては、森田芳光監督の『家族ゲーム』が一押しである。 この作品は、伊丹十三が父親の家庭で、二人兄弟の弟が高校受験のために、家庭教師の松田優作を雇うところから話はスタートする。 この話は基本的には、現代日本が家族の中で…

移動は特権階級にとっては「投資」、貧困層にとっては「職探し」

プロブロガーのイケダハヤト氏が高知県に移住することを発表した。 http://www.ikedahayato.com/20140601/6301963.html 実際、意欲的な取り組みでもあり、関西の地味な県に住んでいる身にとっては、今後どうなるのか興味深い挑戦だ。 いい機会だから、今回は…

ジャーナリズムの頂点はやはり、ウォーターゲート事件

権力を言論機関が監視する。 もう世界中で死に絶えた 「前提」だが、言論の自由を最も追求したアメリカでは ジャーナリズムの歴史は、ニクソンのウォーターゲート事件を暴いたボブ・ウッドワードで凋落せざえるをえなかった。 アメリカのジャーナリズムで戦…

「そのままの自分」がはまるところを探せ!

日本の書店にはコミュニュケーション関連の書籍が氾濫している。 やれ「人に好かれる話し方」だ、やれ「常に笑ってろ」とか、はっきりいって病的なほどだ。 やはり以前紹介した『「縮み」志向の日本人』(講談社学術文庫)や『タテ社会の人間関係』(講談社…

新聞が奇人・変人大会になったワケ

新聞の特に人権問題で社会的弱者などの描き方がどうもおかしいと思った方は少なくないだろう。 奇人・変人を集めた「エンターテイメント化」しているのはうすうすみんなが感じているのではないか?あまり悲惨だとか苦しいだとか極端な事例を挙げすぎると「あ…

これがリアル知的サバイバルゲームだ!

節約は主婦のブーム、ではなくて、できるだけ安くいい生活をしたいのは万人の望み。 てなわけで、『年収100万円の豊かな節約生活術』(文春文庫)がおすすめ。 年収100万円の豊かな節約生活術 (文春文庫) 作者: 山崎寿人 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売…

あなたの個人資産は大丈夫?

日本がデフレになるのは構造的な問題がある、と『国家が個人資産を奪う日』(平凡社新書)は指摘する。 グローバル化が進み、製造業が移転するなど産業が空洞化する中で、製品のクオリティに合わせて値段が決められるのではなくて、ユニクロなどのファストフ…

ネットはもともとリア充に有利

ネットが普及したころ、万人に可能性が開かれた的な意見が目立った。だが、それは幻想に過ぎない。 ネットが普及して一番得をしているのは、リアルの世界で地位や実績がある人であり、一発逆転はほぼないのだ。 ネットニュース編集者の中川淳一郎氏の『ネッ…

重要なのはあなたの目

情報自体は腐るほどある現代では、どのような視点から情報を編集して発表するかということが重要になる。 これが『キュレーションの時代』(ちくま新書)に書かれていることだ。 ネットで過去に書いた記事が検索されてしまい一生残ってしまうという恐ろしい…

ドイツ人による世界認識

EU創設に大きく寄与したドイツの元首相 ヘルムート・シュミットによる世界秩序の認識が『大国の明日』だ。 基本的にはポイントをしっかりと抑えたいい本だと思うが、少し硬くて文章が読みにくい。 この本によると、日本についての認識はやはり東アジアとの外…

ラーメンはアメリカから生まれた

国民食となったラーメンだが、実は敗戦後の日本にアメリカが国内であまった小麦の市場になったという背景があったことを知っている人間はあまりいないだろう。 『ラーメンと愛国』(講談社現代新書)は、アメリカとの関係、国内では田中角栄の日本列島改造計…

三人称不在の国

先日に続き、森有正著『いかに生きるか』(講談社現代新書)を取り上げる。 「経験」については以前話したから、今回は日本語、日本社会の人間関係の基本となる概念について。 森氏によると、日本語では必ず相手との権力関係の中での具体的な二人称にしかな…

ヨーロッパのやりかた

先日取り上げた 『ネオコンの論理』(光文社)は軍事力というハードパワーの存在を軸に世界秩序におけるアメリカの重要性をのべ、唯一の超大国となったアメリカが他に頼らなくてもやっていけること世界秩序の認識として提起した。その中で核の傘に守られてき…

ヨーロッパも日本も、アメリカのフリーライダー

日本は第二次世界大戦での敗戦の経験から、「平和主義」を考え方の基本にすえることが多い。 この「平和主義」の前提には、アメリカの「核の傘」以来の軍事力があったのは、常識である。 軍事力が国際社会について及ぼす影響についての必読書となるのが、『…

アメリカ政治を知らないと、だめでちゅ

なんだかんだいってもアメリカは大国だ。 基本的にそれなりのインテリなら、アメリカについて何らかの意見を求められる。 ということで、今回は最近のアメリカについて述べた本の一部を紹介。 とりあえず、基本的なアメリカの外交政策の基本的な流れは、①孤…

内的成熟のない言葉は無意味だ

今は情報がかつてないほど氾濫している時代で、言葉だけがムダにありすぎる、と思う。自分が本当に感銘を受けたりした原体験がなくては、浅い理解のみが飛び交い、 本当に理解したりコミュニュケーションしたりできないだろう。 実際、海外で働いて思うこと…

『かわいい!』は相手を排除する言葉

「かわいい!」 現代日本で耳慣れたこの言葉を発するたびに、あなたは相手を見下し、自分の支配できるようにしか相手をみていないのだ。 四方田犬彦著『「かわいい」論』(ちくま新書)は、そのような「かわいい」の政治性について言及した貴重な本。 気にな…

ロボットを問う事は人間を問う事

ロボットを問う事は人間を問うこと。 著者でロボット工学者の石黒浩氏はそう強調する。 この本は、ロボットをめぐる問いをSF映画から考えるというもので、 『スタートレック』や『2001年宇宙の旅』などメジャーどころを下敷きに 議論が展開されている。 …

実は年収アップの秘訣は住むところだった

エンリコ・モレッティ著『年収は「住むところ」で決まる』は、恐ろしい本だ。 だって、がんばって勉強して学歴を高めても、高卒のブルーカラーに、「住んでいる場所」によって収入が低くなるのだから。 この本はアメリカのイノベーション産業がアメリカの地…

ポスコロ・スキャンダル本 ベスト3  

スキャンダルは自己破壊が強いほど面白い。ポストコロニアル、植民地時代「以後」の世界を生きるための破壊力のあるスキャンダル本ベスト3を選んだ。(以下、敬称略) ① 『南島イデオロギーの発生』(岩波現代文庫、2004) 柳田民俗学のルーツが「植民…

読書ガイド~ぶち壊せ!さらば救われん。

『千年王国と未開社会』はピーター・ワースレイ著、1981年に紀伊国屋書店から発売された。 東南アジアのメラネシア人は、19世紀後半から20世紀にかけて、植民地化しようとやってきた白人と接触した。この時、彼らは白人の持つ豊かな物資と富に圧倒さ…